国際物流コンサルティング

荷主が追求すべきサプライチェーン上の無限の改善機会

 

通常荷主と物流フォワーダーが行っている物流コスト削減は、「港から港まで」「空港から空港まで」のいわゆる船会社・航空会社の領域範囲内での運賃・料金の削減です。この手法の連続に限界が来るのは目に見えていますが、この手法を実行しているのが国際物流業界の今日の姿です。それだけでは「端から端まで」広がるサプライチェーンにおけるコスト削減は実現できません。下図【サプライチェーン上に存在する改善機会】でお分かりの様にサプライチェーンは多くのプレーヤーのプロセスから成り立っています。この「端から端まで長い」サプライチェーン上には無限の改善機会が存在します。また下記【サプライチェーン上のコスト要因の可能性】でもわかるように、サプライチェーンにはコスト高をもたらす様々な要因が考えられます。これらの要因は逆にチャンスでもあり、その改善機会を脳裏にたたき込みサプライチェーン全体を分析すれば、改善手法(コスト削減・付加価値創造)は自ずと明確になリます

<コスト要因の分析から始める>「端から端まで」のサプライチェーンでは、そのコスト要因を分類し、分析することが最初のアクションです。以下にコスト要因の可能性を列挙します。

【サプライチェーン上のコスト要因の可能性】

(1)非効率なプロセス(ムリ、ムダ、ムラ)
(2)不要な輸送・保管
(3)不適正在庫
(4)代金回収プロセスの不備
(5)業務プロセスの重複

(6)情報プロセスの不備
(7)国際標準システムの未導入
(8)リスクマネジメントの不備
(9)ユビキタス物流の未導入
(10)従業員の思い込み
(11)組織・経営風土/文化の壁
(
12)セールスマネジメント、顧客管理の不備
(13)サービスマネジメントの不備
(14)評価システムの不備
(15)未熟なリーダーシップ・エンパワメントスキル
(16)3PL/4PLマネジメントの未導入
(17)外航貨物保険の見直し不足

これらのコスト要因をサプライチェーン全体を見通して洗い出していく作業が必要です。これらを分析し、問題点を課題化して改善する手法こそが、ロジスティクスのコスト、品質、生産性を改善するために必要なアクションとなります。

 

運賃・料金を業者と交渉するだけでは、本格的なコストの削減はできません。コスト改善機会は無限に存在します。それらを明確にし、削減を実現するところから経営改革は始まります。