エンプロイーサティスファクション(従業員満足経営)

燃える企業軍団をつくる経営コンサルティング

「やる気」こそ企業財産を創る起爆剤である

「朝起きて、今日の仕事に燃えながら家を出る」というのが多くのサラリーマンが理想とする姿です。毎朝、今日の仕事に「やる気」をもって出社するサラリーマンが何人いるでしょうか。毎日夜遅くまで残業が続き、疲れが溜まり「やる気」がでないまま、惰性で出社しているサラリーマンがいます。残業をすることに反対ではありません。必要な残業は当然するのが当たり前であると思っていますが、意味のない残業をすることに心の中で抵抗し、それを誰にも表現できないまま、ただ惰性の中で残業を続けている人が多いのではないでしょうか。

国際・国内の物流業界にはこのような不満を抱きながら、「理想とする仕事場(ワークプレース)」を求めている人が多くいます。ある物流企業(航空会社、船会社、フォワーダー、運輸倉庫会社)に夢と希望に満ちて入社をし、毎朝「やる気」を持って出社する日々が続く。改善の意欲を持ち、理想の仕事場を創ることに生き甲斐を感じながら過ごす。しかし、暫くすると、入社当時に見えなかった会社のやり方、上司の指導の仕方、惰性の文化、変えようと思っても身動きがとれない職場環境、倫理観のないマネジメントがだんだんと見えるようになります。何とかしてこの企業文化、職場環境を変え、効率的なワークプレースをつくらなければならないと思い、仲間に働きかけるが、上司またはその上の上司などからの無言のいやがらせ、圧力に負けて、何のアクションも取らないサラリーマンになっていくのです。最終的には、回りにいる同僚と同じように、無言の圧力に目をつぶりながら、「諦め」というワークプレースで、チャンスがあったら理想とする仕事場(次の会社)に変わりたいという希望を持ちながら、坦々と惰性の中で働いているのが、多くの物流マンの姿ではないでしょうか。

 

 

理想の仕事場は存在しない

理想の仕事場(ワークプレース)を求めて、仕事場の出入りが激しいのが物流業界の特徴であります。会社をかわる時の理由は、前述した「やる気」の喪失です。その他の理由には、給与が上がる、知名度の高い会社だからなどの理由が考えられます。いずれの理由で会社をかわっても、入社時に描いていた仕事場の姿は現実の姿とは多かれ少なかれ違いがあるのが当然のことです。転職により、以前より環境が良くなる場合もあるし、逆に失望するケースも多々あります。しかし、理想の仕事場を頭に描いて転職すると、ほとんどの場合満足できないのが現実の仕事場の姿です。欧米人と違い、日本人の場合には、仕事場を「一生のワークプレース」として考えているから、仕事場の文化、環境を受身的に理解する傾向があります。受身的とは今ある姿を観て理解する姿勢です。欧米人のように、今ある仕事場を自分の力で改革し、新しい効率的なものに変えるというプロアクティブな(自ら積極的に)姿勢がないから、悪いものだけが目に付き、現状に対する批判だけが表面に出てきます。そのために、理想の仕事場と現実の仕事場とのギャップが大きくなります。このギャップが「やる気」喪失、「諦め」の世界への入門というプロセスを導いているということに気がつかなければならないのです。

一体全体、理想の仕事場とはどのような仕事場を指すのでしょうか。朝9時から夕方5時まで働き、人並み以上の給料をもらえる企業を指すのでしょうか。それとも、人並みの給料であるが、朝起きると「やる気」が出てくる企業を指すのでしょうか。給料は安いが、立派な上司に恵まれている企業を指すのでしょうか。どれも理想的に見えるが、本当の理想とは少し違う感じがします。上述した三つをまとめて、「良い上司に恵まれて、朝起きるとやる気が出てきて、朝9時から夕方5時まで働けば、人並み以上の給料がもらえる」というのはどうでしょうか。かなり理想の職場に近づいたと言えるでしょう。他の言葉で表現すると、「リーダーシップのある上司がいて、効率経営を展開し、生産性を上げているから、給料も高い」ということになります。「リーダーシップー効率経営ー高い給料」というまさに理想の仕事場であります。なかなかこれを実現できないでいるのが物流業界であります。この意味において、理想の仕事場は存在しないと言っているのであります。

給料の高低は別にして考えますと、リーダーシップがなく、非効率経営を実行しているのが、多くの物流企業の実態であります。

効率よりも売上という意識

邦人系物流企業の多くは、効率よりも売上を優先します。外資系のように効率を上げながら売上をあげるという意識が薄れているからです。
フォワーダーの仕事のプロセスは、「顧客開発ーサービス提供ーサービス完了ー集金」であります。このどのプロセスを見ても、特に邦人系企業の効率はよいとは言えません。
顧客開発は御用聞き営業が中心、サービス提供はマニュアル作業が多い、未集金は営業マンが集金する場合があります。どのプロセスにおいても、効率経営の展開が見られません。
マニュアル作業が中心でも、まあまあの売上は上げている。だから、いつまでたっても、効率よりも売上だけが意識される経営が展開されるのです。その結果、従業員は残業という避けて通れない道を諦めの世界で進まざるを得なくなるのです。
売上を上げるために最も重要な資源は、ヒト(従業員)であり、モノ(効率的なプロセスに基づいたサービス)、カネ(効率的な集金システムに基づいたキャッシュフロー)であると考えるとどの資源をも有効に活用してるとは言えません。
その理由は、効率的なプロセス、システムが生む価値に気がついていないというのが正直
なところです。御用聞き営業から脱却する営業マネジメントシステム、サービス提供を効率化するISO、OHSASなどの国際規格に基くマネジメントシステム、営業マンが入金の滞った顧客の集金をするのでなく、経理部が顧客と直接結んだ集金マネジメントシステムが生む価値に気づき、その導入をしなければ、効率経営は実現できません。

プロセスマップを描く

仕事の流れ、活動の流れを把握し、プロセスマップを描くことから効率経営が始まります。
顧客ニーズに基いた顧客価値を生む商品を開発し、標的顧客を選択し、その顧客を開発するスキルを身につけ、開発プロセスに必要なキーイベントを展開し、顧客を獲得する。獲得した顧客への業務プロセスを確立し、それを導入する。さらに、導入した業務プロセスのさらなる競争力をつけ顧客への価値を高めるためにISO9001(品質)、ISO14001(環境)、OHSAS18001(労働安全衛生)などの国際規格を導入し、競争基盤の強化に貢献する。そして、すべてのプロセスを見直すのに必要なKPI(業績評価指標)による継続的改善を実行していく。最後は顧客に提供した価値の対価となる料金の回収である。この一連のプロセスを効率的に展開すれば、物流業者の仕事は面白くなります。やりがいのある仕事が生まれてきます。このような仕事のプロセスを確立しながら、生産性と売上を上げる効率経営を実行している物流企業はいくつ存在するでしょうか。残念ながら少ないのが現状であります。プロセスは存在しない。プロセスをつくるムードもない。未集金は相変わらず営業マンが膨大な時間を費やして行っているのでは従業員は理想の仕事場で働くことはできません。
商品開発のプロセスー標的顧客選択のプロセスー顧客開発のプロセスーサービス提供のプロセスーサービス強化のプロセスー集金のプロセスをつくり、プロセスとプロセスを結ぶ相互関係の中にムリ、ムダ、ムラ(いわゆるボトルネック)を見つけ、それを除去・活用・強化するプロセスを導入し、プロセス全体を効率化するというアクションが要求されるのです。プロセスマップを描くことが効率化の第一歩であります。

下からものをみる

プロセスマップを描く時も、普段の経営を実行する場合にも重要なことは経営トップのリーダーシップが従業員を引き付けるものでなければなりません。
多くの経営トップは、経営とは「トップダウン」に戦略を練り、それを命令し、部下に従わせるものだと思っています。この方法を信じて疑わない経営トップは物流業界にも多くいます。この「思い込み」が部下からの支持を失っているということに気がつかずにいるのが経営トップの現実の姿です。
「ワークプレース改革」は、この「思い込み」を取払うところから始まります。
重要なことは、経営トップが普段の経営を展開する時に、トップダウン,即ち「上からものをみる」のでなく、「下からものをみる」という姿勢に変化することであります。
「下からものをみる」とは従業員の立場になって仕事場の現象をみる(見る、観る、診る)ということです。そうすると、今までみえていなかったものがみえるようになります。
空から森も見るので無く、森の真中に立ち空を見上げてみるということです。
空からは会社という一つの森しか見えません。しかし、地面から空を見上げると森の中のあらゆる木々が見えます。どの木が成長しており、どの木が枯れそうになっているかがよく見えるようになります。枯れそうになっている木が多ければ、アルカリ性の肥料を保し、正常な状態に戻さなければなりません。経営トップが何事をやるにもこのような物の見方・考え方が重要と成ります。つまり、大きな机にどかっと座り、下界を見渡し命令しているだけでは人はついてこないということであります。
従業員の世界にはしごをかけて降りていき、従業員と共に「ワークプレース」(仕事場)の効率化のために「汗を掻く」ということが必要であると言っているのです。
仕事場に顔を出し、プロセスマップを作る作業に参加をしてほしい。それを実行すれば、仕事場も従業員も変わる。会社を去る従業員は少なくなり、仕事場は活性化する。活性化、つまり「燃える仕事場」こそ、従業員が求めているものであり、会社にとっても、顧客にとっても大きな価値を生むものであります。

潜在能力を引き出す組織

社長ー専務ー常務ー部長ー課長ー係長ー主任という階層に基いたハイアラキー的組織(階層型組織)を命令系統の基本にしている企業は多いです。稟議制度のなごりが残っている組織体系です。この組織はいわゆる「トップダウン」の経営を続けている企業の典型であります。この組織の中で、働いている従業員は「会社のための仕事」でなく、「上司のための仕事」をやるようになります。つまり、上司の能力の限界に合わせた仕事をするようになります。
専務は社長のための、常務は専務のための、課長は部長のための仕事をするようになります。従業員個人が持っている潜在能力を会社のため、顧客のために発揮できない企業文化が形成されるのです。従業員としての目標が、昇進のためのものとなり、狭い範囲の仕事しか出来なくなります。「上からものを見る」習慣が身につき、効率よりも、非効率の中での売上倍増を求めざるを得なくなるのです。
日本型縦社会の組織は従業員の潜在能力を大きく発揮できない組織です。
社長ー部長又は課長ー従業員という簡素化したフラットな組織が従業員の「やる気」を引き出し、ハイアラキー的組織の弊害を少なくします。
その理由は、昇進のための仕事でなく、会社のための仕事、顧客のための仕事をやるようになるからです。フラットな「風通しの良い」組織は、上から見ても、下から見ても、誰が何をやっているのか良くわかるから、「良い仕事」をする企業文化が形成されます。
「風通しの良い」組織こそ、従業員の潜在能力を発揮できる組織であり、上下間、従業員間のコミュニケーションを強化し、生産性のある「ワークプレース」を創造できます。
企業にとって重要なことは、売上を上げることです。
ハイアラキー的組織で従業員の潜在能力が70%しか発揮できないとすると、フラットな組織では、100%発揮できる可能性があります。同様に、売上も大きく変わってきます。
フラットな組織に基き、誰もが納得する評価制度を作り、従業員がそれを受け入れれば、潜在能力を持った従業員による業務プロセス改善提案が数多く出され、効率的な仕事場が生まれます。フラットな組織による従業員の自由闊達な行動こそ物流企業が成長するには不可欠なものとなります。
「肩書きによる価値」を捨て、「実績による価値」に報酬を払うシステムを導入する時期が来ています。この流れに乗れない企業は国際競争の土壌では戦えません。

敗者復活のできる企業文化

人は全て完全ではありません。いかに能力のある人でも、いかに素晴らしい仕事をし続けてきた人でも、長いサラリーマン人生の中では、失敗をする時があります。
ハイアラキー的組織の企業では失敗はゆるされません。失敗したら再浮上できないシステムになっています。
「可もなく不可も無く無事に定年を迎えることができました」などと挨拶をするのが失敗しないできたサラリーマンの姿のように考えられていますが、このような人の多い企業はハイアラキー的組織の典型と言ってもいいでしょう。失敗は誰にでもあります。
成功は失敗のもとであり、失敗は成功のもとであるという「暗黙の了解」が企業風土のなかにある企業は伸びる企業です。
「失敗したら、反省し、失敗を糧にして、次の大きな成功をもたらす」人材を育てる企業でなければなりません。このような企業風土がなければ、人は潜在能力を100%発揮しなくなります。前述したように、「諦めと惰性」の仕事をするようになります。ワークプレース(仕事場)の活性化は期待できません。
失敗に対して責任をとるということも忘れてはなりませんが、成功を導くことの責任に重きを置くほうが人は魅惑されます。
人を魅惑するリーダーシップ、人を魅惑する組織、人を魅惑する評価制度、そしてこれらが創る効率的なワークプレースこそ従業員が求めているものであります。
「人は企業財産である」とよく言われていますが、財産と同じように大切にしないと失うものは大きくなります。理想のワークプレース(仕事場)は、「言いたい事を言える」自由闊達な企業風土と「敗者を勝者に育て上げる」リーダーシップから生まれます。
物流企業が物流業界で成功するには、先ず既存の経営風土を反省するところから始めなければなりません。多くの従業員は言いたい事をたくさん持っています。
ただ、それを言わないか、言えないかのどちらかであります。
全従業員が「朝起きて、今日の仕事に燃えながら家を出る」という「やる気」こそ企業財産を創る起爆剤であります。

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ごあいさつ

宇野 修
資格、経歴
  • 財団法人日本規格協会(JRCA)の品質マネジメントシステム、
  • 社団法人産業環境管理協会(CEAR)環境マネジメントシステム
  • 財団法人日本情報処理開発協会(JIPDEC)のISMS情報セキュリティマネジメントシステム
  • 英国IRCA労働安全衛生マネジメントシステムの審査員登録者名簿に登録経験有。
  • TAPA(貨物セキュリティマネジメントシステム)内部審査員トレーニング参加証明書(TAPA Asia)

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