国際間SCL(サプライチェーンロジスティクス)改善

国際物流のサプライチェーンにおけるコスト削減機会

【国際物流のサプライチェーンにおける
コスト削減機会チャート】
【「端から端まで」のサプライチェーン上の
コスト要因チャート】

荷主が追求すべきサプライチェーン上の無限の改善機会

荷主とフォワーダーが行っている物流コスト削減は、「空港から空港まで」(港から港まで)のいわゆるキャリアの領域(航空会社・船会社)での運賃・料金の削減である。誰が考えてもこの手法の連続ではコスト削減に限界が来るのは目に見えている。ところが、何の疑いもなくこの手法を実行しているのが国際物流業界の今日の姿である。これでは、「端から端まで」(荷主の営業に始まり、最終顧客に届けるまで)のサプライチェーン上におけるコスト削減を実現できない。【国際物流のサプライチェーンにおけるコスト削減機会チャート】理解できるように、国際物流のサプライチェーンは荷主とフォワーダーのプロセスから成っている長いプロセスである。この長い「端から端まで」のサプライチェーン上には無限の改善機会が存在する。運賃・料金の低減だけに目が行っているから、サプライチェーン上の改善機会に気がついていないのが多くの荷主・フォワーダーの実態ではないであろうか。【「端から端まで」のサプライチェーン上のコスト要因チャート】でわかるように、サプライチェーン上の改善機会には次にあげるものが考えられる。ムダなプロセスが生むコスト、フォワーダー(輸送業者)の選択ミスによる余分な輸送・保管コスト、 不適正在庫によるコスト、代金回収プロセスの不備によるキャッシュフローのロス、 業務プロセスの重複によるロス、情報プロセスの不備によるロス、 国際規格(ISO9001/ISO14001/OHSAS18001/ISO27001)、セキュリティマネジメント、リスクマネジメント、倉庫マネジメントなどのマネジメントシステムの不備によるロス、 従業員のマインドセット/思い込みによるロス、組織・経営風土・文化の壁によるロス、 セールスマネジメントシステム/サービスマネジメントシステムの不備によるロス、 評価システム不在によるロス、リーダーシップ/エンパワーメントスキルの未熟によるロス、 コミュニケーション/コラボレーションシステムの不備によるロスなど数多くの改善機会がある。これらの改善機会を脳裏にたたき込み、荷主とフォワーダーのプロセスから成っている国際物流のサプライチェーンを【「端から端まで」のサプライチェーン上のコスト要因チャート】のチェックリストに基づき分析をすれば、改善機会(コスト削減機会・付加価値創造機会)は明確になってくる。

<コスト要因の分析から始める>【「端から端まで」のサプライチェーン上のコスト要因チャート】は「端から端まで」のサプライチェーンの流れを示したものである。荷主による販売・受注、調達物流、生産工程、フォワーダーによる保管・在庫管理、輸配送、顧客へ配達のプロセスから成っている。このプロセスの中にコストを生む要因があることを理解する必要がある。サプライチェーンのコスト要因をコスト要因チャートに示したように分類し、コスト要因を分析することが最初のアクションである。サプライチーン上のコスト要因は、(1)非効率なプロセス(ムリ、ムダ、ムラ)が生むコスト,(2)ムダな輸送・保管コスト,(3)不適正在庫によるコスト,(4)代金回収プロセスの不備(コスト),(5)業務プロセスの重複(コスト),(6)情報プロセスの不備(コスト),(7)ISO/OHSAS/TAPA/BCPなどの未導入(コスト),(8)リスクマネジメントの不備,(9)ユビキタスロジスティクス(RFID/IC tag)の未導入 ,(10)従業員のマインドセット(思い込み),(11)組織・経営風土/文化の壁,(12)セールスマネジメントの不備,(13)サービスマネジメントの不備,(14)評価システムの不備,(15)リーダーシップ・エンパワメントスキルの未熟,(16)3PL/4PLマネジメントの未導入などからなる。これらのコスト要因をサプライチェーン全体を見通し、洗い出していく作業が必要となる。(1)   非効率なプロセス(ムリ、ムダ、ムラ)が生むコストを掴むには、サプライチェーンの流れを阻むボトルネック、重複作業を明確にすることで把握することができる。(2)   ムダな輸送・保管コストは輸送・保管のプロセス及びサプライヤー(既存のフォワーダー及び物流業者)のコストを分析し、費用対効果をみれば把握できる。(3)   不適正在庫によるコストは長期在庫とセールスの販売予測と生産量の乖離を調べれば、把握できる。(4)   代金回収プロセスの不備とは、代金回収に6か月、1年という長い時間をかけている顧客をみつけて、回収期間を短縮すれば、キャッシュフローは改善される。(5)   業務プロセスの重複とは、1人でできる作業を2人でやっていたり、基幹業務ソフトでできる作業をエクセルなどを使い同じ作業を行っていたりする非生産的な重複を指す。(6)   情報プロセスの不備とは、倉庫作業ーフォワーダーの業務(HAWB作成から請求書算出)ー輸配送ー貨物の可視化などの流れに非効率な作業が行われていることを指す。つまり、OMS(受注管理システム)、TMS(輸配送管理システム)、WMS(倉庫管理システム)などが適切に導入されていないときに起こる不備である。(7)   ISO/OHSAS/TAPA/BCPなどの未導入によるコストとは、マネジメントシステムが導入されていないために非効率な作業と管理が行われていることを言う。ISO9001(品質マネジメントシステム)、ISO14001(環境マネジメントシステム)、ISO27001(情報セキュリティマネジメントシステム)、OHSAS18001(労働安全衛生マネジメントシステム)、TAPA(倉庫・事務所セキュリティマネジメントシステム)、BCP(事業継続計画)などのマネジメントシステムの導入の目的は、組織内に品質向上、環境保全、情報保護、職場の安全確保、倉庫内の貨物の安全確保、企業の存続などであるが、究極の目的は、これらのマネジメントシステムを組織内に導入し、コスト削減を目指すことである。これらのシステムが未導入であると、コスト高になるということである。(8)   リスクマネジメントの不備とは、自然災害、業務リスク、経営リスクなどの防止システム・解決システムが不備のため、何か事故がおこると莫大なコストの垂流しになるということである。(9)   ユビキタスロジスティクス(RFID/IC tag)とはIC Tagを使えばより効率的な貨物の可視化ができるのに、それを行わず、マニュアル作業で貨物のトレースをやっているときに発生するコストである。(10) 従業員のマインドセット(思い込み)とは、改善できる作業であるにも拘わらず、旧態依然とした方法で作業を進め、コスト要因を作っていることを指す。(11) 組織・経営風土/文化の壁とは、階層的な組織(ハイアラキー)で従業員が改善を提案しても、なかなか実行されない風土・文化が生む非効率なコストを指す。(12) セールスマネジメントの不備とは、営業部が実行している需要予測と生産量に乖離があり長期在庫の原因をつくったり、営業戦略・戦術が効率的でなくムダなコストを生むことを指す。(13) サービスマネジメントの不備とは、カスタマーサービスのサービスが顧客志向でなかったり、作業プロセスが非効率である場合を指す。(14) 評価システムの不備とは、従業員が納得できる評価システム不在で、従業員のやる気を阻む環境があることを言う。(15) リーダーシップ・エンパワメントスキルの未熟とは、管理職が従業員のやる気を刺激するマネジメント能力がなく、非生産的な仕事を惰性の中でやらざるを得ないことを指す。(16) 3PL/4PLマネジメントの未導入とは、3PL(サード・パーティ・ロジスティクス)による管理を導入すれば、効率的なロジスティクス管理ができるにも拘わらず、それを実行しないためにムダなコストを生んでいることを言う。 上述したように、サプライチェーンの流れを阻むコスト要因は数多く存在する。これらを分析し、問題点を課題化し、それを改善する手法を導入することが、荷主のロジスティクスのコスト、品質、生産性を改善するために必要なアクションとなる。 

 

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ごあいさつ

宇野 修
資格、経歴
  • 財団法人日本規格協会(JRCA)の品質マネジメントシステム、
  • 社団法人産業環境管理協会(CEAR)環境マネジメントシステム
  • 財団法人日本情報処理開発協会(JIPDEC)のISMS情報セキュリティマネジメントシステム
  • 英国IRCA労働安全衛生マネジメントシステムの審査員登録者名簿に登録経験有。
  • TAPA(貨物セキュリティマネジメントシステム)内部審査員トレーニング参加証明書(TAPA Asia)

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